かつて、六本木の外れに、東京大学生産技術研究所がありました。駒場移転後の敷地には、黒川紀章先生がデザインした、近代的な装いの国立新美術館が佇んでいます。その傍らにしばし通った学び舎の懐かしい面影が残されています。
さらに遡ること、元々は、二二六事件の決起部隊となった歩兵隊の兵舎でした。歴史的舞台となった建物の一部が現存しているのです。
このあたりは乃木坂と呼ばれていて、表参道、六本木、赤坂、青山の賑わいにほど近くも、喧噪から取り残されています。そこそこ車が行き交う通りはありますが、広大な青山墓地があり、緑も多いせいか、都会の窮屈感がありません。人通りも少なく、本当に落ち着いたエリアです。
銀座ウエストのカフェは、真っ当なカフェで、決して無理することなく、外を素直に感じながら、静かなひとときを楽しんだものです。改装し、ダイニングの規模も大きくなりましたが、基本的なコンセプトは変わっていないと思います。
店内は、白をベースに、ブラウンをさし、装飾は抑え気味で、落ち着いた空間に仕上がっています。
テラス席もあります。そもそも、人通りは多くないのですが、植栽でうまく目隠しされ、周辺の緑を受けながら、心地いい時間を過ごすことができます。
ランチは、ヤサイタマゴサンドイッチにスープをつけました。とても丁寧に、月並みですが、とてもおいしく作り込んでおり、真心を込めたおもてなしが伝わってきます。
ケーキも同様です。
コーヒーはおかわりができます。
オープンの11時の20分前には、既に10人ほどが並んでいました。最初に着席するには、少し余裕をもって来店されるといいでしょう。談笑する女性客が多かったのですが、若いカップル、男女を問わずにソロの方もいらっしゃいました。テーブルには花が添えられ、スタッフのホスピタリティもよく、おいしく、心地のいいひとときを過ごしました。3時間ほど、居座ってしまいましたが、待ち人が絶えませんでした。
今回は、以上です。それでは、また。