アルヴァ・アアルト自邸探訪|アアルトデザインに触れる旅 ①

今回の旅人

Atelier momo

建築家、インテリアデザイナー
デザイン界のレジェンドたちにオマージュを捧げます。

フィンランドが誇る建築家、アルヴァ・アアルト(1898~1976年)。その作品は、機能性と美しさを兼ね備えています。フィンランドの風土に根ざしたデザインは、世界中の人々を魅了し続けています。

そんなアアルトのデザイン哲学に触れるべく、フィンランド各地を巡り、アアルトの建築作品を訪れました。これから数回にわたり、アアルトの建築が持つ魅力を皆さんにお伝えしていきたいと思います。

初回は、ヘルシンキにあるアアルトの自邸です。単なる住居を超え、デザイン哲学と人生観が具現化された場所と言えるでしょう。

目次

まずは、アルヴァ・アアルトについて

アルヴァ・アアルトは、20世紀を代表する建築家の一人です。アアルトの作品は機能主義の理念に基づきつつ、自然の形態や地域の材料を取り入れ、暖かみのある人間中心のデザインを追求しました。

アアルトは、ヘルシンキ工科大学(現アアルト大学)で学び、1923年に自身の建築事務所を開設。初期の作品にはクラシックなモダニズム建築の特徴が見られますが、徐々に独自のスタイルを確立していきました。

アアルトは建築だけでなく、家具や照明のデザインも手がけました。建築デザインと同様、機能性と美しさを兼ね備えたデザインが特徴です。

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今回のアアルト自邸について

アルヴァ・アアルトの自邸は、アルヴァ・アアルトと妻のアイノ・アアルトにより設計されました。アアルト特有のデザイン要素で満たされています。1936年に完成し、設計事務所としても利用されました。

水島信、モダニズムの影響におけるアルヴァー・アアルトの建築の特質の考察、アアルトの建築におけるモダン性と非モダン性の検証、日本建築学会計画系論文集、2023年3月、第88巻 第805号

外観

道路側は、比較的閉鎖的で窓が少なく、プライバシーを重視したデザインになっています。

白ペンキ塗りのレンガと茶色の木材が使用されており、それぞれがリビングルームやアトリエ(公共スペース)、ベッドルームやチャイルドルーム(プライベートスペース)となっています。

東面

一方、庭側は開放的で窓が多く、自然光が室内に豊かに入り込むように設計されています。

南面(リビング、ダイニング)

バタフライ屋根。

南面(アトリエ)
西面(アトリエ)
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玄関

フィンランドらしい木製ドア。続く石段と植栽。さりげない、落ち着きを感じます。

玄関、ホールには、スツール60が置かれています。

リビングルーム

落ち着いた色彩。木材も多用されています。コルビュジエのアートがアクセントになっています。

ガラスを多用。窓には、すだれが。。四季を通じて自然との繋がりを感じさせます。屋内にも植物を配し、自然から多くのインスピレーションを感じていたことでしょう。

ピアノはポールヘニングセンデザイン。アイノの写真が置かれています。

アアルト夫妻がデザインした家具は、シンプルながらも人間中心のデザインを体現しています。

照明設計にも工夫を凝らしています。夜の空間を照らす温かい雰囲気を見れなかったのは残念です。。

ゼブラ柄のタンクチェア、ビーハイブ、アアルトベースなど。

後妻エリッサとの写真。

ティートロリー。

床は、少しずらした張り方です。

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ダイニング

新婚旅行でイタリアから持ち帰ったクラシカルなチェア。

セイナッツァロ役場のためのランプ。

写真奥は、アイノ・アアルト設計の食器棚。引き戸になっており、ダイニングとキッチンの両方からアクセス可能です。日常生活の機能性を高めるとともに、空間の美学をも向上させています。

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キッチン

メイドルーム。

アトリエ

リビング西に繋がるアトリエ。仕切りは、木製の引き戸になっています。日本文化からのインスピレーションと言われています。アトリエの家具はアアルトのデザイン。

アトリエ空間は2層になっています。上層はギャラリー。

西側の高所の窓から入る北欧の低く傾いた太陽の光は、バタフライ屋根下の勾配天井によって室内にくまなく反射します。

アアルトの作業スペース。

奥はライブラリー、階段はギャラリーへ。

テラスから出入りできます。

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ライブラリー

階段

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ホール

ホールを中心にプライベートルームが配置されています。左手奥はチャイルドルーム2部屋。

奥はゲストルーム、バスルーム。テラスにも出られます。

ゲストルーム

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ベッドルーム

戸棚はエリッサデザイン。

ウォークインクローゼットには、天窓があります。

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チャイルドルーム

側面の有機的なフォルムが際立つライト。空間のオブジェとも言えます。テーブルライトであり、壁面のアートを照らすスポットライトでもあります。カレ邸のためにデザインされたもののようです。

バスルーム

パイミオサナトリウムのための洗面ボウル。

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テラス

プライベート空間から出られます。

アトリエにも出入りできます。

以上となります。いかがでしたか。

今回、アアルトの自邸を訪れ、アアルト建築における核心的な要素に触れてきました。アアルトの自邸は、人間中心のデザインを実践し、後世の建築家に大きな影響を与えた場所と言えます。

次回は、アアルト自邸からほど近いアアルトのスタジオを紹介します。どうぞお楽しみに。

THE AALTO HOUSE
https://www.alvaraalto.fi/en/location/the-aalto-house/

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