新宿御苑|「言の葉の庭」のロケ地巡り。余談も交えて綴っています。

昨日、新宿御苑を訪れました。周囲が4キロメートル近くあり、自然と歴史にあふれています。一回だけでは回りきれません。今回は、新海誠先生の「言の葉の庭」のロケ地巡りに絞りました。建築のことなど、余談も交えて綴ってみます。

目次

新宿門

まずは、新宿門。主人公の孝雄は高校の授業をさぼり、こちらから入園していました。

新宿御苑の新宿門

ちなみに、孝雄の通う高校は、都立新宿高等学校と言われています。劇中、高校に行くため、新宿駅から地下鉄に乗り換えると言っています。新宿御苑に行くために新宿駅から歩いているのに、その途中にある高校まで地下鉄を利用するとは考えにくいです。また、現実的な描写を売りにしているにもかかわらず、高校の屋上からの街並みは新宿ではありません。おそらく、孝雄の高校は新宿高校ではないと思います。。

日本庭園(東屋、台湾閣など)

日本庭園。新宿門から入った孝雄はこの橋の上を歩いていきます。

日本庭園。背景はドコモタワー。

背景の高層ビルはドコモタワーです。尖塔を持つ特徴的な形状です。ここでは、「言の葉の庭」のシーンに合わせ、下半分だけの写り込みにしました。ちなみに、ドコモタワーの全体の姿は、劇中に何度も何度も登場します。

緑が多い中でわかりにくいのですが、右から、藤棚、東屋(あずまや)、台湾閣があります。

右から、藤棚、東屋、台湾閣。

東屋。孝雄は、ここを目指していたのです。雪野とのストーリーが繰り広げられます。

東屋

雪野:雨が降ってくれないか。そうすれば、あなたを引き止められるのに。。
孝雄:雨が降らずとも、あなたが引き止めるなら、ここにいます。。

ちなみに、東屋は、柱と屋根だけの建築物などを言います。建築基準法では、詳細な定義はありません。第22条区域の屋根の構造方法の適用除外のところで唐突に出てきます。漢字ではなく、ひらがなで表記されています。

藤棚の二人が、雨に降られ、東屋まで走るシーンがありました。

藤棚と東屋

二人が東屋から台湾閣を眺めるシーンも印象的でした。

東屋と台湾閣

ちなみに、台湾閣は、大日本帝国時代、台湾在住の邦人が寄贈したもので、台湾で人気だった中国福建省の建築様式を目指し、森山松之助(もりやままつのすけ)なる先生が設計し、1927年に完成したものとのことです。

台湾閣

劇中には、写真のように、水面に枝垂れる描写が登場します。

水面に枝垂れる緑

高層ビル群

公園から眺める高層ビル群。

高層ビル群

劇中では、コクーンタワーの存在感が強調されていました。ちなみに、その設計は、丹下都市建築設計で、会長の丹下憲孝(たんげのりたか)先生とされることもあります。世界の丹下健三先生が父親です。

丹下憲孝先生といえば、30年以上も前のことですが、つくばの研究所の研究員をされていました。毎日、毎日、東京から通われていました。真っ赤なスポーツカーで、ハイウェイをぶっ飛ばして。。

千駄ヶ谷門

雪野は、千駄ヶ谷門を利用していました。

千駄ヶ谷門

この坂を下り、千駄ヶ谷の駅のほうに向かいます。

千駄ヶ谷に向かう坂

雪野のマンションは、新宿御苑のプラタナス並木を望めることから、正門の近くにあったと思われますが、劇に登場するようなデザインのものは見当たりません。。

以上、新宿御苑内の「言の葉の庭」のロケ地のいくつかを巡り、建築的な余談も交えてみました。近いうちに、新宿御苑の第二弾として、園内の歴史的建造物を取り上げたいと思います。

それでは、また。

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