昨日、一昨日と、国立競技場を訪れました。
国立競技場は、言うまでもありませんが、隈研吾先生の設計です。東京オリンピックに向けて建設され、2019年に竣工しました。
外装に木材が多用され、明治神宮外苑の樹木の多い環境によく馴染んでいるとされています。
スタジアムを周回する空の杜(そらのもり)は、地上5階レベルにあり、東京の風景を楽しめます。特に、平日は、人も少なく、ゆっくり過ごすことができます。わたしは、ゆっくり写真を撮りました。
まずは、東京体育館。1990年にオープン。設計は、プリツカー賞を受賞した世界的建築家の槇文彦(まきふみひこ)先生。モダニズム建築家とされています。
続いて、神宮第二球場。現在は、閉鎖され、解体工事中です。明治神宮外苑再開発の一環として行われています。跡地に、新秩父宮ラグビー場ができます。写真左手の建国記念文庫の森まで伸びて建てられるため、森に茂る木々の大半はなくなってしまいます。
建国記念文庫の森の位置は下記の通りです。
以下の写真は、建国記念文庫の森を手前に、神宮第二球場を奥に見ています。
建国記念文庫の森だけを被写体にしてみました。
空の杜をさらに回遊すると、東京スカイツリーが望めました。2012年に開業。タワーとしては、世界一の高さのようです。
空の杜の回遊を終え、国立競技場を出て、神宮外苑をざっと歩いてみました。
こちらは、TEPIA(テピア)。先ほどの東京体育館と同じく、槇文彦先生の設計です。
神宮外苑のシンボルいちょう並木。
オープンな空間で、日没近くまで日差しがあり、木漏れ日の中、ゆっくりした時間を過ごせます。言わずもがな、人気のスポットですが、平日の午後ならば、それほど混み合うこともありません。
再度、神宮外苑再開発に触れますが、このいちょう並木は残されるようです。ただし、新神宮球場が迫るように建てられる計画で、圧迫感のある、暗く、騒がしい空間に様変わりすることが予想されます。
神宮外苑再開発では、超高層ビル3棟の建設も予定されており、日照阻害に加え、風環境の悪化も懸念されています。
余談ですが、いちょうは防火樹です。都市大火の際、延焼遮断帯になります。ついでに、3大防火樹なるものがあり、いちょうに加え、珊瑚樹(さんごじゅ)、高野槙(こうやまき)です。以前、国土交通大臣に、都市防災のお話をし、防火樹にも触れました。大いに褒められた記憶があります。以上、さりげない自慢になってしまいましたね。。
今日の最後は、聖徳記念絵画館(せいとくきねんかいがかん)。小林正紹(こばやしまさつぐ)先生という方の設計で、1926年開業とのことです。
手前に見えるグラウンドは、現在は、軟式野球等に使われていますが、神宮外苑再開発により、テニスクラブが移ってくるようです。
今回は、以上です。
なお、神宮外苑再開発では、風致地区(ふうちちく)として100年近く守られてきた緑や景観が損なわれてしまいます。落胆や怒りを感じる向きも多数います。この問題は改めて考えてみたいと思います。
それでは。