
Atelier momo
建築家、インテリアデザイナー
デザイン界のレジェンドたちにオマージュを捧げます。
今回は、フィンランドを代表する建築家、アルヴァ・アアルトが設計した「Kirjatalo(ブックハウス)」内にある、アカデミア書店を取り上げます。
建築界の巨匠、アルヴァ・アアルトのデザイン
この「ブックハウス」は1960年代に建てられました。設計を手がけたアルヴァ・アアルトは、しばしばスカンジナビアにおける「モダニズムの父」と称される、フィンランドが世界に誇る建築家です。彼の作品は、建築だけでなくデザイン分野にも多大な影響を与えてきました。
アカデミア書店の外観は、もしかすると少しビジネスライクに見えるかもしれません。しかし、一歩店内に足を踏み入れると、全く異なる世界が広がります。



光に満たされた壮大な空間と心地よい雰囲気
店内の最大の特徴は、アルヴァ・アアルトらしい光の取り入れ方です。白い大理石とガラスのスカイライトが効果的に配されており、3フロアすべてを明るく照らしています。自然光が降り注ぐこの広々とした空間は、まるで別世界のようです。



この旗艦店は、北欧諸国で最大の書店として知られており、その蔵書数はなんと約45万冊にも及びます。その巨大なサイズとは対照的に、店内は暖かく、書籍の閲覧に適した非常に心地よい雰囲気に包まれています。ゆったりと時間を過ごしながら、お気に入りの一冊を探すのにぴったりの場所です。
豊富な品揃えと知識豊富なスタッフ
アカデミア書店は、その品揃えの幅広さでも訪れる人々を魅了します。
- 特に注目すべきは、非常に幅広い外国語セクションです。かなりの部分が英語の書籍で占められていますが、ドイツ語やフランス語、その他多くの言語の書籍も見つけることができます。
- フィンランドをより深く知りたい方のために、フィンランドの歴史、文化、自然に関する書籍専用のセクションが設けられています。
- フィンランド語を学習している方には嬉しい、学習者向けの出版物も多数取り揃えています。
- 世界中の新聞や雑誌も入手可能で、知的好奇心を刺激されること間違いなしです。
また、店内には知識が豊富で、多言語に対応できるスタッフがいるため、探している書籍について気軽に尋ねることができます。
2階のバルコニーには、「カフェ・アアルト」があります。美しい空間で、美味しいコーヒーや軽食を楽しみながら、購入したばかりの書籍を開いてみるのもいいですね。
歴史的価値と未来への継承
アルヴァ・アアルトによって設計されたこの素晴らしい建物と内装は、都市計画によって保護されています。2002年から2017年にかけて行われた建物の修繕や改修においても、その歴史的・芸術的価値が強く考慮されました。これは、この場所が単なる書店ではなく、フィンランドの重要な文化遺産として大切にされていることの証です。
アカデミア書店では、アルヴァ・アアルトが創り出した空間デザイン、そして居心地の良い雰囲気に触れられると思います。

今回は以上です。ありがとうございました。